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SPAビーズタイプ
SPAシンチレーションビーズとSPAイメージングビーズの選択
SPAビーズに適した放射性同位元素
SPAビーズアプリケーション
よくある質問
4つの異なるSPAビーズがあります。プラスチックビーズ(ポリビニルトルエン(PVT)およびポリスチレン(PS))と結晶ビーズ(ケイ酸イットリウム(YSi)および酸化イットリウム(YOx))です。プラスチックビーズはサイズが大きく(5〜8 µm)、結晶ビーズ(2.5 µm)よりも溶液中に長く浮遊し、沈殿しにくいため、アッセイのサンプル数が多い実験が容易になります。
PVTビーズのシンチレータはジフェニルアントラシン(DPA)であり、ポリビニルトルエンマトリックスでに共重合しています。YSiビーズでは、セリウムイオンがシンチレータとして機能し、ケイ酸イットリウム結晶格子内にトラップされています。これら両方のシンチレータは、青色光(400 - 450 nm)を放出します。この青色光は、フォトマル(PMT)ベースのシンチレーションカウンタで検出されます。
PSビーズの発光体のユーロピウムはポリスチレンマトリックスに共重合され、YOxビーズは酸化イットリウムが結晶格子内にトラップされているシンチレータとなります。このシンチレータは、赤色光(615 nm)を放出します。この赤色発光は、CCDカメラベースの検出器で検出されます。384ウェルまたは1536ウェルのマイクロプレート全体を一度にイメージングできるためハイスループットスクリーニングが可能です。
各タイプのビーズは、SPAの応用形態にあわせて誘導体化することが可能です。
SPA bead types
SPAビーズの選択について、以下にポイントを示します。
SPAシンチレーションビーズとSPAイメージングビーズ
SPA Scintillation Beads | SPA Imaging Beads | 特長 | 利点 | |
測定器 | PMTリーダー、ベータカウンタ | CCD イメージャー | SPAシンチレーションビーズは青色の領域で発光し、SPAイメージングビーズはスペクトルの赤色の領域で発光します | ビーズを機器のタイプに合わせます(たとえば、CCDイメージャーは赤い領域でより感度が高くなります) |
一度にアッセイできるサンプル数 | 多 | 超多 | - | 希望するサンプル数によって、機器とビーズを選択する |
ウェルフォーマット | Tubes、96- or 384ウェル | 96-, 384-, 1536ウェル以上 | - | スループットを向上させ、試薬コストを削減します |
発光 | 青色光 (400 nm) | 赤色光(615 nm) | - | SPAイメージングビーズを使用することで、オレンジ/赤色の化合物によって引き起こされる色の消光を低減します |
SPAの放射性同位元素を選択する際の重要な特性は、放射線の経路長です(表3)。 一般に、放射線の経路長が短いほどSPAに適しています。
3Hと125IはSPAに最適です。14C、35S、および33PもSPAで使用される核種です。その他のガンマ線放出核種(45Ca、86Rb、75Se、65Co)もSPAで使用されます。
SPAに適した放射性同位元素とその放射線の平均経路長
Isotope | 水溶液中の崩壊粒子の平均経路長 |
3H | 1.5 µm |
125I | 1.0 µm, 17 µm |
14C | 50 µm |
35S | 65 µm |
33P | 125 µm |
以下のアプリケーションにSPAが用いられます。
放射性標識リガンド結合アッセイ
invitroキナーゼアッセイ
35S-γ-GTP結合アッセイ
SPAをカウントするための、液体シンチレーションカウンタのウィンドウ設定は?
SPAをカウントするには、アッセイウィンドウを全開に設定するか、³²Pチャネルでカウントします。ビーズと放射性標識トレーサーのブランク、およびその他のアッセイ固有のコントロールを使用してバックグラウンドを測定してください。
液体シンチレーションと比較したSPAでの測定効率の違いは何ですか?
SPAでの測定は、液体シンチレーションほど効率的ではありません。通常、PVTビーズのカウント効率は液体シンチレーションの40%であり、YSiビーズは60%です。
YSiおよびPVTビーズの平均サイズはどれくらいですか?
YSiおよびポリビニルトルエンPVTビーズのサイズは2〜8 µmの範囲です。 PVTビーズの平均直径は約5µmですが、YSiビーズは平均直径2.5 µmの不規則な形状の結晶です。
SPAで使用されるγ線放出核種とはどのようなものですか?
125Iおよびその他のγ線放出核種は、「電子捕獲」と呼ばれるプロセスによって崩壊します。このタイプの崩壊は、オージェ電子を生じさせ、これらの電子はSPAビーズによって検出可能です。SPAで使用されている最も一般的なガンマ線放出核種には、125I、45Ca、86Rb、75Se、65Coがあります。
SPAビーズを遠心分離する際の最大速度はどれくらいですか?
経験則として、SPAビーズは培養細胞と同じように扱い、標準的な遠心分離機で2,000rpm以下で回転させます。それより高速または高遠心力である場合、SPAビーズ自体には影響を与えませんが、分子間相互作用に影響する可能性があるためお勧めしません。
タンパク質やその他の分子はSPAビーズにどのように結合しますか?
タンパク質または他の高分子は、次の2つの方法のいずれかでSPAビーズに共有結合します。
・SPAビーズ表面への直接的な結合
・高分子(ビーズをコーティングするポリリジンまたはポリエチレンイミン(PEI))との化学的な架橋
SPAではどのようなプレートを使用しますか?
ほとんどすべてのタイプのマイクロプレートをSPAに使用できます。ただし、低反射性のプレートが望ましいです。これらのプレートは通常、不透明な白色です。底面から読み取るタイプの測定器を使用する場合は、白色フレーム・透明底のプレートを使用するのが最適です。
さらに、バックグラウンドシグナルの増加を引き起こす可能性のあるプレート壁への放射性標識リガンドの非特異的結合を低減できるプレートもあります。
PVTおよびYSiビーズにはどのようなシンチレータが含まれていますか?
PVTビーズのシンチレータはジフェニルアントラシン(DPA)で、ポリビニルトルエンマトリックスでに共重合しています。YSiビーズは、セリウムイオンがシンチレータとして機能し、ケイ酸イットリウム結晶格子内に安定してトラップされています。
non-proximity effect(NPE)という用語はなんですか?どのように最小化することができますか?
non-proximity effect、またはは、溶液中にあるビーズと結合していない核種がビーズを刺激することによって引き起こされる低レベルのバックグラウンドのシグナルです。NPEは通常、33P、35S、14C等の高エネルギーの核種で発生する可能性があります。NPEは、溶液中のビーズ量を減らすことによって抑えることができます。主に、遠心分離によってカウント前にビーズを沈降させることによって抑えることができます。
Wheat Germ Agglutinin(WGA)およびポリリジンビーズに細胞膜が結合するメカニズムはどのようなものですか?
WGAの場合、細胞膜上のグリコシル化細胞表面タンパク質に存在するN-アセチルグルコサミン残基との相互作用を介してビーズに結合します。
ポリリジンの場合、ビーズ上の正に帯電した部位と細胞膜を構成する負に帯電した脂質の間に塩橋静電的な結合が形成されます。
一部のビーズがWGAに加えてPEI(ポリエチレンイミン)でコーティングされているのはなぜですか?
ビーズは、WGAのみでコーティングすることも、PEIと組み合わせてコーティングすることもできます。PEIはバックグラウンドを抑えるのに役立ちます。