放射性リン酸化アッセイ(総論)

目次

実験概要
アッセイの種類


実験概要

in vitroキナーゼアッセイは、32Pまたは33P標識ATPを使用して行われます。このアッセイでは、ATP(場合によってはGTP)から基質へのγリン酸の転移を測定し、カイネティクス解析やスクリーニングに使用できます。また、ペプチド、タンパク質、脂質、低分子化合物など、基本的にあらゆる種類の基質に適応可能です。

ロースループットで実験する場合、チューブまたはバイアルで行われ、未反応の放射性標識ATPはゲル電気泳動、ろ過、密度勾配遠心分離、またはクロマトグラフィーによって基質から分離されます。ハイスループットの場合、SPAまたはFlashPlateアッセイを使用します。

細胞ベースのアッセイでは、標識されたATPではなく、32Pまたは33Pオルトリン酸または他のリン酸塩を使用します。

アッセイの種類

DNAおよびRNA標識

32Pおよび33P-γ-ATPを使用したDNAおよびRNA標識の詳細についてはこちらから。

DNAおよびRNAは、32Pおよび33P-γ-ATPとT4 PNK(T4ポリヌクレオチドキナーゼ)を使用して、5 '末端を標識できます。これはプローブの作製等に利用されます。

標準的なキナーゼアッセイ

32P-および33P-γ-ATPを使用した標準的な生化学的キナーゼアッセイに関する詳細についてはこちらから。

基質とキナーゼを使用するこのアッセイは、32P/33P/35S-標識ATPを利用して、放射性リン酸基をATPから基質に転移させます。放射性標識されたATPと基質が分離できるのであれば、タンパク質、ペプチド、脂質などあらゆる種類の基質を使用できます。基本的には、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、またはろ過技術を使用して、放射性標識されたATPを放射性標識された基質から分離します。
次に、リン酸化された基質の量を、オートラジオグラフィー、ホスホイメージング、または液体シンチレーションカウンタによる計測により定量化します。

細胞標識アッセイ

32Piおよび33Piリン酸塩/オルトリン酸を使用した細胞標識アッセイの詳細はこちらから。

細胞ベースの放射性リン酸化アッセイ/代謝アッセイでは、細胞に32Pまたは33Pを供給するため、これらを添加した無リン酸培地を使用します。
ターゲット基質のリン酸化は、免疫沈降させ、SDS-PAGEゲルで分離し、オートラジオグラフィーまたはホスホイメージング等により同定・測定します 。