アイソトープ廃棄物記録票作成マニュアル

更新日:2020年10月1日

1.はじめに

 アイソトープ廃棄物(以下「廃棄物」という)を日本アイソトープ協会(以下「協会」という)に引き渡す際、アイソトープ廃棄物記録票(以下「記録票」という)を提出していただいております。
記録票は、後日、廃棄物を保管・処理・処分する時の重要な記録になりますので、記載には間違いのないようにお願いします。また、記録票は、OCR(Optical Character Reader=光学文字読取装置)用カードになっており、その特性上、記入には様々な条件や規則があり、記入方法に誤りがある場合、読取不能または誤読の原因となりますので注意してください。
作成した記録票はコピーをとり、控えとしてお手元にお持ちください。
なお、記録票の記入にあたり、ご質問や不明な点等がございましたら、お問合せください。

2.記入等のご注意

記録票の記入内容を機器が正確に読み取れるように、記入の際は以下について注意してください。

(1)筆記具

できるだけHBの鉛筆またはシャープペンシルを使用し、カスレや汚れの生じないようにしてください。記載に間違いがあった場合、消しゴム、修正液等により完全に消した後書き直してください。

鉛筆またはシャープペンシルを使用する場合

シャープペンシルの芯の太さは0.5mm、鉛筆は芯を良く削ってから使用してください。

ボールペンを使用する場合

一般に市販されているボールペンであれば油性、水性を問いません。ただし、インクのボテ、カスレに注意して記入の前に試し書きや時々チップの先端に溜まったインクを取り除くなどしてから使用してください。

(2)文字

文字は、必ずOCR用標準字体を使用してください。(図1参照)

(3)記入上の注意事項

  • カスレないように書く。
  • つなぐところは確実に接触させる。
  • 線の終わりは確実に止める。
  • 跳ねたり伸ばしたりしない。
  • 文字枠からははみ出さないように、枠内に大きく書く。
  • 隣の文字と続けない。
  • 丸い文字は丸く、角ばった文字は角ばって書く。
  • アルファベットは大文字で記入する。

(4)OCR記録票の取扱について

  • 汚さない。
  • 切り離さない。
  • ホッチキス止めをしない。
  • その他、穴を開ける等の記録票を加工・破損させるような事をしない。

3.記録票の作成

(1)事業所コード

 RI廃棄物廃棄依頼書、RI廃棄物容器借用申込書等に印刷されている施設コード6桁(4桁+2桁)の数字を記録票1枚ごとに記入してください。
なお、同一事業所において放射性同位元素等規制法、医療法・臨検法・薬機法に基づく許可または届出等が重複している場合、施設コードの末尾2桁が異なりますので、施設コードの記入には十分注意してください。

事業所
区分

(2)引き渡し年月日

 協会へ廃棄物を引き渡す日を西暦で記入してください。月日が1桁の場合は、頭に「0」を記入してください。

2001年4月1日

(3)事業所名・担当者氏名

 事業所名は許可または届出等されている正式名称を、担当者氏名は実務担当者を記入してください。ゴム印を使用される場合、油性インクを使用して十分に乾燥させてください。

(4)区分

 すでに「1」と印刷されています。1容器(フィルタ)に含まれる核種が6核種を超える場合使用します。

(5)複写

 真上の廃棄物と内容が同じ場合「-」マイナスマークと種別・容器番号のみを記入してください。ただし、最大表面1cm線量当量率及びフィルタの容量等が異なる場合は、各々について相当する数値を記入してください。
(内容の複写は記録票用紙2枚にまたがらないようにしてください。)

(6)種別

 廃棄物の種類です。ドラム缶に貼付されている容器番号シール又はフィルタ用番号シールに表示されている2桁の数字を記入してください。(図3参照)

(7)容器番号

 ドラム缶に貼付されている容器番号シール又はフィルタ用番号シールに表示されている英数字6文字を記入してください。(図3参照)

(8)内容物

 種別「非圧縮性不燃物」のみ下記の内容物コード一覧を参照のうえ、該当する内容物コード(2桁の数字)を記入してください。

内容物コード一覧

コード 内容物
11 土砂・コンクリート混合物等
12 金属塊
13 ガラス・せともの塊 
14 夜光時計部品類
15 塩化ビニール(厚手)
19  土砂のみ
24 コンクリートのみ
50 金属(リニアック放射化物)
51 金属(サイクロトロン放射化物)
52 コンクリート(サイクロトロン放射化物)
※不燃物の場合も、放射化物を収納された場合は内容物コードをご記入ください。

(9)容量

 フィルタのみ記入してください。フィルタ1梱包あたりの体積をリットル数であらわします。2桁の場合は右寄せで記入してください。頭に「0」は必要ありません。(表2参照)

(10)最大表面1cm線量当量率

 ドラム缶またはフィルタの表面における1cm線量当量率の最大値(実測値)を右寄せで記入してください。頭に「0」は必要ありません。ただし、1μSv/h以下は「1」と記入してください。

(11)廃棄核種、化学形

 核種の元素記号はアルファベット(大文字)で左寄せ、質量数は数字で右寄せで記入してください。また、メタステーブルの「M」の表示は質量数の後のM欄に記入してください。
化学形については、下記の分類の中から廃棄数量の多いもの、もしくは排気・排水に係る濃度限度の厳しいもののどちらかに代表させて下記の分類番号を選んでください。

化学形コード

標識化合物・・・1   無機化合物・・・2
その他・・・・・・・3 不明・・・・・・・・・4

廃棄物核種     化学形
 
     
123
 
 
99mTc
 

(12)引き渡し時の放射能

 協会へ廃棄物を引き渡す当日における放射能値を切り上げて整数化し、仮数部分は2桁、指数部分は1桁の整数で記入してください。放射能の単位は全てkBqで表示し、指数部分が負数の場合のみ数字の前に「-」のマイナス記号を記入してください。下限値は1.0×10-9となります。

123kBq    
× 10
 
kBq
149kBq
× 10
 
kBq
0.5kBq
× 10
kBq

廃棄物核種が6核種を越える場合

 廃棄物核種が6核種を越える場合、7核種目より次欄に移り、種別、容器番号、廃棄核種、化学形、引き渡し時の放射能を記入してください。このとき、当該欄の区分「1」(印刷済み)を鉛筆等で黒く塗りつぶしてください。(図2参照)
なお、この場合は記録票用紙が2枚にまたがらないようにしてください。

(13)総濃度

 無機液体及び有機液体のみ記入してください。
液体1ml当りの放射能総濃度を(12)の記入方法に基づいて記入してください。

(14)H、14C、125I、131Iの総濃度

 無機液体及び有機液体のみ記入してください。
液体1ml当たりのH、14C、125I、131Iの放射能総濃度を(12)の記入方法に基づいて記入してください。

(15)pH

 無機液体及び有機液体のみ整数で記入してください。

(16)非圧縮性不燃物重量

 種別「非圧縮性不燃物」のみ記入してください。
内容物とドラム缶の重量を加算した総重量を、1kg未満は切り上げて整数とし右寄せで記入してください。

4.種別コード一覧(表1)

種別コード 廃棄物名 主な内容物
05 非圧縮性不燃物(研究用) 土砂、コンクリート等
金属塊
ガラス・せともの塊
塩化ビニール(厚手)
44 非圧縮性不燃物(医療用)
10 動物 動物死体、敷きわら等
11 無機液体 水溶液
1B 有機液体(10ℓポリ容器1個入) 液体シンチレーター廃液のみ
1C 有機液体(10ℓポリ容器2個入)
16 有機液体(25ℓステンレス容器)
31
41
可燃物(研究用)
可燃物(医療用)
紙、布、木片
32
42
難燃物(研究用)
難燃物(医療用)
プラスチック類
ゴム手袋
33
43
不燃物(研究用)
不燃物(医療用)
金属、ゴム、塩ビ類
ガラス、せともの類
51
54
通常型ヘパフィルタ
焼却型ヘパフィルタ
ヘパフィルタ
52
55
通常型プレフィルタ
焼却型プレフィルタ
プレフィルタ

53
56
57

通常型チャコールフィルタ
焼却型チャコールフィルタ
焼却型炭素繊維フィルタ
チャコールフィルタ

5.フィルタの容量の計算

フィルタ1梱包あたりの容量(L)=縦(cm)×横(cm)×厚さ(cm)×枚数 / 1000(cm
(注)フィルタ容量の計算は正味のフィルタ寸法で計算し、小数点以下は四捨五入としてください。

主なフィルタの容量(表2)

種  類 寸  法(mm) 容量(L)
ヘパフィルタ
チャコールフィルタ
610×610×290(1枚) 108
610×610×292(1枚) 109
500×500×300(1枚) 75
610×610×150(1枚) 56
760×610×290(1枚) 134
760×610×292(1枚) 135
プレフィルタ 610×610×18(1枚)
610×610×18(2枚) 13
610×610×18(3枚) 20
610×610×18(4枚) 27
610×610×18(5枚) 33
610×610×18(6枚) 40
610×610×18(7枚) 47
610×610×18(8枚) 54
610×610×18(9枚) 60
610×610×50(1枚) 19
610×610×50(2枚) 37
610×610×50(3枚) 56
610×610×50(4枚) 74
610×610×50(5枚) 93
610×610×50(6枚) 112

6.OCR用標準字体(図1)

7.作成例(図2)

8.容器番号シール例(図3)

お問合せ先

公益社団法人日本アイソトープ協会
環境整備部 環境整備課
TEL:03-5395-8030 FAX:03-5395-8630
RIの使用等で発生した汚染物の集荷等に関するお問合せ