平成12年12月26日

【医療法施行規則の一部を改正する省令】
 
○厚生省令第百四十九号
 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第十五条第三項、第十七条及び第二十三条第一項の規定に基づき、医療法施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。
平成十二年十二月二十六日
厚生大臣 坂口 力
 
医療法施行規則の一部を改正する省令
 医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)の一部を次のように改正する。
 
 第二十六条第二号中「台数」を「個数」に改め、同条第三号中「及び診療用放射線照射装置使用室」を「、診療用放射線照射装置使用室、貯蔵施設及び運搬容器並びに診療用放射線照射装置により治療を受けている患者を収容する病室」に改める。
 
 第二十七条第一項第二号中「箇数」を「個数」に改め、同項第四号中「又は歯科医師」を「、歯科医師又は診療放射線技師」に改める。
 
 第二十八条第一項第三号中「及び一日の最大使用予定数量」を「、一日の最大使用予定数量及び三月間の最大使用予定数量」に改める。
 
 第三十条第一項各号を次のように改める。
 エツクス線管の容器及び照射筒は、利用線錐以外のエツクス線量が次に掲げる自由空気中の空気カーマ率(以下「空気カーマ率」という。)になるようにしやへいすること。
 定格管電圧が五十キロボルト以下の治療用エツクス線装置にあつては、エツクス線装置の接触可能表面から五センチメートルの距離において、一・〇ミリグレイ毎時以下
 定格管電圧が五十キロボルトを超える治療用エツクス線装置にあつては、エツクス線管焦点から一メートルの距離において十ミリグレイ毎時以下かつエツクス線装置の接触可能表面から五センチメートルの距離において三百ミリグレイ毎時以下
 定格管電圧が百二十五キロボルト以下の口内法撮影用エツクス線装置にあつては、エツクス線管焦点から一メートルの距離において、〇・二五ミリグレイ毎時以下
 イからハまでに掲げるエツクス線装置以外のエツクス線装置にあつては、エツクス線管焦点から一メートルの距離において、一・〇ミリグレイ毎時以下
 コンデンサ式エツクス線高電圧装置にあつては、充電状態であつて、照射時以外のとき、接触可能表面から五センチメートルの距離において、二十マイクログレイ毎時以下
 エツクス線装置には、次に掲げる利用線錐の総濾過となるような附加濾過板を付すること。
 定格管電圧が七十キロボルト以下の口内法撮影用エツクス線装置にあつては、アルミニウム当量一・五ミリメートル以上
 定格管電圧が五十キロボルト以下の乳房撮影用エツクス線装置にあつては、アルミニウム当量〇・五ミリメートル以上又はモリブデン当量〇・〇三ミリメートル以上
 輸血用血液照射エツクス線装置、治療用エツクス線装置及びイ及びロに掲げるエツクス線装置以外のエツクス線装置にあつては、アルミニウム当量二・五ミリメートル以上
 
 第三十条第二項各号を次のように改める。
 透視中の患者への入射線量率は、患者の入射面の利用線錐の中心における空気カーマ率が、五十ミリグレイ毎分以下になるようにすること。ただし、操作者の連続した手動操作のみで作動し、作動中連続した警告音等を発するようにした高線量率透視制御を備えた装置にあつては、百二十五ミリグレイ毎分以下になるようにすること。
透視時間を積算することができ、かつ、透視中において一定時間が経過した場合に警告音等を発することができるタイマーを設けること。
 透視時のエツクス線管焦点皮膚間距離が四十センチメートル以上になるような装置又は当該皮膚焦点間距離未満で照射することを防止するインターロックを設けること。ただし、手術中に使用するエツクス線装置のエツクス線管焦点皮膚間距離については、二十センチメートル以上にすることができる。
 利用するエツクス線管焦点受像器間距離において、受像面を超えないようにエツクス線照射野を絞る装置を備えること。ただし、受像面が円形でエツクス線照射野が矩形の場合にあつては、受像面に外接する大きさまでエツクス線照射野を許容するものとする。
 利用線錐中の蛍光板、イメージインテンシファイア等の受像器を通過したエツクス線の空気カーマ率が、利用線錐中の蛍光板、イメージインテンシファイア等の受像器の接触可能表面から十センチメートルの距離において、百五十マイクログレイ毎時以下になるようにすること。
 透視時の最大照射野を三・〇センチメートル超える部分を通過したエツクス線の空気カーマ率が、当該部分の接触可能表面から十センチメートルの距離において、百五十マイクログレイ毎時以下になるようにすること。
 被照射体の周囲には、利用線錐以外のエツクス線を有効にしやへいするための適当な装置を備えること。
 
 第三十条第三項を次のように改める。
 撮影用エツクス線装置(胸部集検用間接撮影エツクス線装置を除く。)は、第一項に規定するもののほか、次に掲げる障害防止の方法を講じたものでなければならない。
 利用するエツクス線管焦点受像器間距離において、受像面を超えないようにエツクス線照射野を絞る装置を備えること。ただし、受像面が円形でエツクス線照射野が矩形の場合にあつては、受像面に外接する大きさまでエツクス線照射野を許容するものとし、口内法撮影用エツクス線装置にあつては、照射筒の端における照射野の直径が六・〇センチメートル以下になるようにすること。
 エツクス線管焦点皮膚間距離は、次に掲げるものとすること。ただし、拡大撮影を行う場合にあつては、この限りでない。
 定格管電圧が七十キロボルト以下の口内法撮影用エツクス線装置にあつては、十五センチメートル以上
 定格管電圧が七十キロボルトを超える口内法撮影用エツクス線装置にあつては、二十センチメートル以上
 歯科用パノラマ断層撮影装置にあつては、十五センチメートル以上
 移動型及び携帯型エツクス線装置にあつては、二十センチメートル以上
 イからニまでに掲げるエツクス線装置以外のエツクス線装置にあつては、四十五センチメートル以上
 移動型及び携帯型エツクス線装置及び手術中に使用するエツクス線装置にあつては、エツクス線管焦点及び患者から二メートル以上離れた位置において操作できる構造とすること。
 
 第三十条第四項中「間接撮影用エツクス線装置」を「胸部集検用間接撮影エツクス線装置」に改め、同項各号を次のように改める。
 利用線錐が角錐型となり、かつ、利用するエツクス線管焦点受像器間距離において、受像面を超えないようにエツクス線照射野を絞る装置を備えること。
 受像器の一次防護しやへい体は、装置の接触可能表面から十センチメートルの距離における自由空気中の空気カーマ(以下「空気カーマ」という。)が、一ばく射につき一・〇マイクログレイ以下になるようにすること。
 被照射体の周囲には、箱状のしやへい物を設けることとし、そのしやへい物から十センチメートルの距離における空気カーマが、一ばく射につき一・〇マイクログレイ以下になるようにすること。ただし、エツクス線装置の操作その他の業務に従事する者が照射時に室外へ容易に退避することができる場合にあつては、この限りでない。
 
 第三十条第五項中「エツクス線管回路を開放位にする濾過版保持装置」を「は、エツクス線の発生を遮断するインターロック」に改める。
 
 第三十条の二第二号を次のように改める。
 照射終了直後の不必要な放射線からの被ばくを低減するための適切な防護措置を講ずること。
 
 第三十条の二第四号中「放射線発生回路を開放位に保つ自動装置」を「放射線の発生を遮断するインターロック」に改める。
 
 第三十条の三第一号中「放射線量率が二千六十四ナノクーロン毎キログラム毎時以下」を「空気カーマ率が七十マイクログレイ毎時以下」に改め、同条第二号中「照射口には、」を「放射線障害の防止に必要な場合にあつては、照射口に」に改め、同条第三号に次のただし書を加える。
 ただし、診療用放射線照射装置の操作その他の業務に従事する者を防護するための適当な装置を設けた場合にあつては、この限りでない。
 
 第三十条の四第一号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改め、同条第二号ただし書中「間接撮影を行なう場合であつて第三十条第四項第四号に規定する箱状のしやへい物を設けたとき又は体腔管照射を行なう」を「第三十条第四項第三号に規定する箱状のしやへい物を設けたとき、又は近接透視撮影を行うとき、若しくは乳房撮影を行う」に改める。
 
 第三十条の五第一号、第三十の六第二号、第三十条の七第一号及び第三十条の八第三号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改める。
 
 第三十条の九中「診療用放射線照射器具」を「診療用放射線照射装置、診療用放射線照射器具」に改め、同条第二号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改め、同条第八号ただし書中「一センチメートル線量当量率」を「実効線量率」に改め、「貯蔵箱等に」の下に「診療用放射線照射装置又は」を加え、同号イ中「一センチメートル線量当量」を「実効線量率」に改め、同号ニ中「貯蔵する」の下に「診療用放射線照射装置又は」を加える。
 
 第三十条の十中「診療用放射線照射器具」を「診療用放射線照射装置、診療用放射線照射器具」に改める。
 
 第三十条の十一第一項第一号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改め、同条第二項中「実効線量当量」を「実効線量」に改める。
 
 第三十条の十二中「診療用放射線照射器具」を「診療用放射線照射装置、診療用放射線照射器具」に改め、同条ただし書を削り、同条第一号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改め、同条第三号に次のただし書を加える。
 ただし、第三十条の八第八号の規定は、診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具により治療を受けている患者のみを収容する放射線治療病室については、適用しない。
 
 第三十条の十四の表エツクス線装置の使用の項の下欄中「若しくは診療用放射線照射装置使用室」を「、診療用放射線照射装置使用室、診療用放射線照射器具使用室若しくは診療用放射性同位元素使用室」に、「これらの使用室においてエツクス線装置を操作しない」を「適切な防護措置を講じた」に改め、同表診療用高エネルギー放射線発生装置の使用の項の下欄及び診療用放射線照射装置の使用の項の下欄を次のように改める。
 
特別の理由により移動して手術室で使用する場合(適切な防護措置を講じた場合に限る。)
特別の理由によりエツクス線診療室又は診療用放射性同位元素使用室で使用する場合(適切な防護措置を講じた場合に限る。)
 
 第三十条の十四の表診療用放射線照射器具の使用の項の下欄中「手術室」を「特別の理由によりエツクス線診療室若しくは診療用放射性同位元素使用室で使用する場合(適切な防護措置を講じた場合に限る。)、手術室」に改める。
 
 第三十条の十五第一項中「診療用放射線照射器具」を「診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具を持続的に体内に挿入して治療を受けている患者」に改め、同項ただし書中「上で、集中強化治療室又は心疾患強化治療室に一時的に収容する場合」を「場合にあつて」に改める。
 
 第三十条の十六第一項中「線量当量」を「線量」に改める。
 
 第三十条の十七中「線量当量を」を「線量を」に、「線量当量限度」を「線量限度」に改める。
 
 第三十条の十八第一項中「線量当量が」を「線量が」に、「実効線量当量限度及び組織線量当量限度」を「実効線量限度及び等価線量限度」に改め、同条第二項中「実効線量当量及び組織線量当量」を「実効線量及び等価線量」に、「線量当量」を「線量」に改め、同項第一号中「線量当量の」を「線量の」に改め、「、三ミリメートル線量当量」を削り、「七十マイクロメートル線量当量」の下に「(中性子線については、一センチメートル線量当量)」を加え、「放射線測定用具」を「放射線測定器」に改め、同号ただし書中「放射線測定用具」を「放射線測定器」に改め、「放射線測定器を用いて測定することができ、また、放射線測定器を用いてもなお測定することが著しく困難である場合には、」を削り、同項第二号を削り、同項第三号中「線量当量」を「線量」に、「妊娠不能と診断されたものを除く。以下」を「妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠する意思がない旨を病院又は診療所の管理者に書面で申し出た者を除く。以下この号並びに第三十条の二十七第一項(第四号を除く。)及び第二項第一号において」に改め、同号ただし書中「線量当量」を「線量」に改め、同号を同項第二号とし、同項第四号中「七十マイクロメートル線量当量」の下に「(中性子線については、一センチメートル線量当量)」を加え、同号を同項第三号とし、同項第五号中「線量当量」を「線量」に改め、同号を同項第四号とし、同項第六号中「線量当量」を「線量」に、「吸入摂取」を「吸入摂取し、」に、「つど」を「都度」に、「女子にあつては、」を「妊娠中である女子にあつては、本人の申出等により病院又は診療所の管理者が妊娠の事実を知つた時から出産までの間」に改め、同号を同項第五号とする。
 
 第三十条の十九中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改める。
 
 第三十条の二十二中「つど」を「都度」に改め、同条第二項第一号中「一センチメートル線量当量率」の下に「又は一センチメートル線量当量」を加え、同号ただし書中「三ミリメートル線量当量率が一センチメートル線量当量率の三倍を超えるおそれのある場所においては三ミリメートル線量当量率について行い、また、」を削り、「七十マイクロメートル線量当量率について」を「、七十マイクロメートル線量当量率について」に改め、同項第二号及び同号ただし書中「又は放射線測定用具」を削る。
 
 第三十条の二十三第一項ただし書中「一センチメートル線量当量率」を「実効線量率」に、「次の表の下欄」を「同表の下欄」に、「線量当量率」を「線量率」に改め、同条第二項中「第二十四条第四号に規定する診療用放射線照射器具」を「診療用放射線照射装置、診療用放射線照射器具」に改め、同項第二号を削り、同項第三号を同項第五号とし、同項第一号の次に次の三号を加える。
 入手、使用又は廃棄に係る診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具の形式及び個数
 入手、使用又は廃棄に係る診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具に装備する放射性同位元素の種類及びベクレル単位をもつて表わした数量
 入手、使用又は廃棄に係る診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物の種類及びベクレル単位をもつて表わした数量
 
 第三十条の二十六第一項中「第三十条の十一第二号イ及び同条第三号イ」を「第三十条の十一第一項第二号イ及び同項第三号イ」に改め、同条第二項中「第三十条の十一第三号ロ」を「第三十条の十一第一項第三号ロ」に、「八時間」を「一週間」に改め、同条第三項中「線量当量」を「線量」に改め、同項第一号中「の線量当量」を「の線量」に、「一センチメートル線量当量が一週間につき三百マイクロシーベルト」を「実効線量が三月間につき一・三ミリシーベルト」に改め、同項第二号中「一週間」を「三月間」に、「十分の三」を「十分の一」に改め、同項第四号中「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に、「線量当量」を「線量」に改め、同条第四項中「線量当量限度」を「線量限度」に、「一センチメートル線量当量」を「実効線量」に改め、同条第五項中「線量当量限度」を「線量限度」に、「線量当量」を「線量」に改める。
 
 第三十条の二十七の見出しを「(線量限度)」に改め、同条第一項中「実効線量当量限度」を「実効線量限度」に、「四月一日を始期とする一年間につき五十ミリシーベルト」を「次のとおり」に改め、同項ただし書中「実効線量当量限度」を「実効線量限度」に改め、同項に次の各号を加える。
 平成十三年四月一日以後五年ごとに区分した各期間につき百ミリシーベルト
 四月一日を始期とする一年間につき五十ミリシーベルト
 女子については、前二号に規定するほか、四月一日、七月一日、十月一日及び一月一日を始期とする各三月間につき五ミリシーベルト
 妊娠中である女子については、第一号及び第二号に規定するほか、本人の申出等により病院又は診療所の管理者が妊娠の事実を知つた時から出産までの間につき、内部被ばくについて一ミリシーベルト
 
 第三十条の二十七第二項中「組織線量当量限度」を「等価線量限度」に改め、同項第一号中「百五十ミリシーベルト」の下に「(放射線障害を防止するための緊急を要する作業に従事した放射線診療従事者等(女子を除く。次号において「緊急放射線診療従事者等」という。)に係る眼の水晶体の等価線量限度は、三百ミリシーベルト)」を加え、同項第二号中「眼の水晶体以外の組織」を「皮膚」に改め、「五百ミリシーベルト」の下に「(緊急放射線診療従事者等に係る皮膚の等価線量限度は、一シーベルト)」を加え、同項第三号を次のように改める。
 妊娠中である女子の腹部表面については、前項第四号に規定する期間につき二ミリシーベルト 別表第三及び別表第四を次のように改める。
 
 
 
附 則
(施行期日)
 この省令は、平成十三年四月一日から施行する。
(経過措置)
 この省令による改正後の医療法施行規則第二十八条第一項第三号及び第三十条の二十六第一項から第五項まで並びに別表第三及び別表第四の規定の適用については、これらの規定にかかわらず、平成十五年三月三十一日までの間は、なお従前の例によることができる。
 この省令の施行の際現に病院又は診療所に備えられているエックス線装置に対するこの省令による改正後の医療法施行規則第三十条の規定の適用については、なお従前の例によることができる。