平成10年 3月31日公布

試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の一部を改正する総理府令

公布日    
平成10年 3月31日
総理府令第8号
試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の一部を改正する総理府令
施行日
平成10年 4月20日
改正法令
総理府令
改正内容
「電磁的方法による保存」に関する条文が追加された。
 
 
電磁的方法による保存、申請書等における押印の見直しに関する
総理府令等の改正の概要等について
 
科学技術庁原子力安全局放射線安全課
 各事業所におかれましては、放射性同位元素等の取扱いに当たり、平素から放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年6月10日法律第167号。以下「放射線障害防止法」という。)に基づく放射線安全管理を行い、放射線障害防止に努められていることと存じます。
 
 さて、この度、「申請負担軽減対策」(平成9年2月10日閣議決定)等に基づき、放射線障害防止法施行規則(昭和35年9月30日総理府令第56号)等の改正が行われました。(平成10年3月31日公布、同年4月20日施行)
 
改正の概要等は以下のとおりですので、内容を御確認の上、合理的な管理を行っていただきますようお願いいたします。
 
(概要)
1. 電磁的方法による保存
 放射線障害防止法施行規則第20条の2(測定の結果の保存)、第22条の2(健康診断の結果の保存)、第24条の2(帳簿の保存)において、それぞれの保存について電磁的方法による保存も可能なこととする。
 指定機構確認機関等規則第12条の2、第19条の2、第24条の2、第33条の2、第40条の2において、指定機関に義務付けている帳簿の保存について、電磁的方法による保存を認めることとする。
 
2. 押印関係
 放射線障害防止法施行規則で定めている申請書等の様式について、様式備考欄に「氏名を記載し、押印することに代えて、署名することができる。」の文言を追加し、署名での申請等も可能とする。
 ただし、様式第18、18の3、18の4、18の6、19の2、20、21については、様式中の「印」をとることにより、申請等に際して記名のみでよいこととする。
 指定機構確認機関等規則で定めている報告書の様式について、様式備考欄に「氏名を記載し、押印することに代えて、署名することができる。」の文言も追加し、署名での報告書の提出も可能とする。
 
(留意事項)
1.  改正規則に基づいて定められた「電磁的方法による保存をする場合に確保するよう努めなければならない基準」は下記のとおり。
 
2.  署名とは、自己の作成した書類等にその責任を明らかにするため自己の氏名を自ら書き記すことであり、記名とは、書類等に作成者の責任を明らかにする等のため氏名を記すことである。(記名は、自ら氏名を記すことを要求されない。)

基 準
 
1. 技術基準(電磁的方法による保存をする情報システムの技術面の安全対策)
(1) 情報システムには、個人別のID、パスワード等の利用者登録、管理及び認証機能を設けること。
(2) 情報システムには、データの機密度に応じてアクセス権限を設定する機能を設けること。
(3) 情報システムには、システムへの不正なアクセス及びデータの不正な変更を発見するソフトウェア機能を設けること。
(4) 情報システムのうち、データの保管を行う機器に直接接続されたコンピュータが公衆回線とのオンラインによって接続される場合には、アクセスするユーザー等の正当性を識別し、認証する機能を設けること。
(5) 情報システムには、データの保存及び更新時に、保存及び更新の日時並びに実施者を記録する「ログデータ」の保存機能を設けること。
(6) 情報システムには、データのエラー検出機能を設けること。
(7) 情報システムの主要機器には、停電、誤切断、静電気等によるデータの破壊を防止するため、バックアップ電源等の必要な機能を設けること。
 
2. 運用基準(電磁的方法による保存をする関係者の遵守事項等人的システムの安全対策)
(1) 室の窓及び出入口の施錠、入退室管理等の適切な防犯措置を講じること。
(2) 情報システムの非使用時には、機能を停止させること。
(3) 情報処理機器及びソフトウェアは、正常作動を確認した上で情報システム上での運用を開始すること。
(4) 外部から入手したソフトウェア、使用済のデータ記録媒体等は、ウイルス検査後に利用すること。
(5) IDを付与された関係者以外の者が、情報システムの操作をしないよう周知徹底する等の措置を講じること。
(6) 情報システムのIDは、複数者で共用しないこと。
(7) 人事異動等で使わなくなったID及びパスワードは、直ちに無効化すること。
(8) 情報システムの保守、点検等を行うに当たっては、バックアップ等当該行為の期間のデータ保護措置を講じること。
(9) データ記録媒体は、データの保存及び更新時に、当該媒体以外にバックアップを行い、当該媒体と異なる保管場所に保管すること。
(10) データ記録媒体及びバックアップは、定期的にデータの健全性の点検を実施すること。
(11) 情報システムの管理には、管理責任者を定めること。
(12) 管理責任者は、以下の項目の管理規定を定め、関係者に周知徹底すること。
防犯措置に関すること。
ID及びパスワードの付与及び廃止の管理に関すること。
データ記録媒体の使用、保管、搬出入及び授受並びに廃棄の管理に関すること。
データの健全性の点検、ログデータの保存その他の管理上必要な事項に関すること。

(用語)
  この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 
一 「情報システム」とは、ホストコンピュータ、端末機、通信関係装置、プログラムその他のハードウェア及びソフトウェアの全部又は一部により構成されるものであつて、電磁的方法による保存をするためのシステムをいう。
 
二 「室」とは、情報システムを設置している室及びデータ記録媒体を保管する室をいう。
 
三 「データ」とは、情報システムの入出力情報をいう。
 
四 「データ記録媒体」とは、データを記録したディスク、磁気テープ、フィルム、カードその他の媒体をいう。