NaI (Tl) シンチレーションスペクトロメータによるγ線スペクトロメトリーガイダンス(正誤表追加)

更新日:2016年11月28日

 本ガイダンスは、理工学部会 放射能測定・除染技術等に関する調査検討専門委員会 食品等の放射能測定のための分析法の規格化ワーキンググループにおいて作成したものです。
 2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故後の状況を受け、近年の技術開発およびスペクトル分析手法の進展を踏まえ、また、現在必要とされている食品中の放射性セシウムの放射能濃度測定に焦点を当て、測定の原理、分析方法、測定および評価の際に注意すべき点等を解説しました。本書が、食品中の放射能の分析測定に携わる方、さらにはこれから放射能分析装置の設計に携わる技術者のガイドとなれば幸いです。
 なお、このガイダンスは 厚生労働省より発出された「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」、その他、関連のマニュアル、ガイドラインなどに適用できる測定器の性能及び分析法を規定したものではないことを付記します。

2015年3月31日
 

(注1)印刷物等に転載する場合には転載許可が必要です。
(注2)委員の所属等は、執筆時のものです。

目次紹介

  • 序論
  • 第1章  測定原理
  • 第2章  測定機器
  •   2.1  検出部
      2.2  検出部
        (参考)新しいAD変換
      2.3  遮蔽体
      2.4  機器設置上の注意(測定室・分析室)
      2.5  機器への性能要求

  • 第3章  機器の設置と点検・調整
  •   3.1  スペクトル表示位置の調整
      3.2  エネルギー校正
      3.3  効率校正
      3.4  点検

  • 第4章  試料の測定
  •   4.1  分析作業フロー
      4.2  測定手順
      4.3  結果の解釈
      4.4  測定結果の記録

  • 第5章  測定試料調製法
  •   5.1  試料容器
      5.2  試料の前処理
      5.3  試料の作り方
       5.3.1  食品試料の扱い
       5.3.2  試料の充てん

  • 第6章  スペクトル解析
  •   6.1  ピークサーチ
      6.2  ピーク面積の算出
       6.2.1  単純ピーク積分
       6.2.2  ピーク関数適合による複合ピークの処理
           (参考)その他の複合ピークの処理方法

  • 第7章  放射能濃度の計算
  •   7.1  放射能濃度の計算
      7.2  自己吸収補正
       7.2.1  円柱容器
       7.2.2  マリネリ容器
      7.3  カスケードサム効果
      7.4  測定の不確かさ

  • 第8章  精度管理と計量トレーサビリティ
  •   8.1  標準線源
      8.2  標準物質
      8.3  計量トレーサビリティ
      8.4  保守・点検と校正

  • (参考資料1)カスケードサム補正
  • (参考資料2)ベルトコンベア式食品モニタの概要
  • (参考資料3)全計数型放射能濃度測定装置の概要