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実験概要
主な準備物
製品およびカタログ番号
プロトコル
プロトコルおよびデータ
引用文献
Chromium-51(51Cr)リリースアッセイは、腫瘍等において、細胞毒性の正確な定量のために用いられています。また、本アッセイは、感染や薬物に反応して産生されるリンパ球の数を決定するために使用されます。
アッセイの原理の概要を以下に示します。まず、標的細胞を51Crで標識します。その後、標的細胞はエフェクター細胞によって外敵として認識され、細胞膜破裂(溶解)を起こすことで51Crが放出されます。
51Crは、サンプルを遠心分離し、上清を収集することによって分離できます。遠心分離の上清は、ガンマカウンタで直接カウントするか、マイクロプレートでシンチレーションカクテルと混合して、液体シンチレーションカウンタで検出できます。
手順は3つの主要なステップに分けることができます。
・51Crによる標的細胞の標識
・細胞溶解による51Crの放出
・および放出された51Crの検出
・51Cr
・細胞培養培地
・PBSなどのバッファー
・標的細胞を完全に溶解し、最大のシグナルを得るため(最大放出)のTriton-XやSDSなどの界面活性剤
・アッセイフォーマットに応じた、細胞培養用のチューブまたはマイクロプレート
Compound | Specific Activity | Rad. conc. | Packaging buffer | Storage temp. | Half Life | Cat. Number |
Sodium Chromate | >9.25 GBq/mg | 185 MBq/mL | Saline, pH 8-10, sterile | Room Temperature | 27.7 days | NEZ030 |
Sodium Chromate | >9.25 GBq/mg | 37 MBq/mL | Saline, pH 8-10, sterile | Room Temperature | 27.7 days | NEZ030S |
51Crリリースアッセイのプロトコル
51Crの検出には、ガンマまたはベータ線を測定します。
自発的放出:
エフェクター細胞なしの標的細胞を培地またはバッファーのみでインキュベートします。
最大放出:
標的細胞を1-2%界面活性剤(SDS、Triton X-100など)添加済みの培地またはバッファーでインキュベートし、標的細胞を完全に溶解します。
特異的な溶解細胞の計算方法:
[(実験的に得られた放出-自発的放出)/(最大放出-自発的放出)] * 100。
標的細胞の標識に使用される放射能の量、標的細胞標識のためのインキュベーションの時間、さらにE(エフェクター細胞):T(標的細胞)比、およびE:Tインキュベーション時間などの実験条件は、使用される細胞タイプによって異なるため最適化が必要です。
51Crはガンマ線放出核種ですが、電子捕獲によっても崩壊するため、ガンマカウンタでのガンマ線の検出の他、液体シンチレーションカウンタでオージェ電子および低エネルギーX線を検出することもできます。
・核タンパク質を発現する組換えvacciniaウイルス(107 pfu)をP815標的細胞(2 x 106)に感染させます。
・標識のために50 µlのIMDM(7.5%FCS)に1.85 MBqのNa251CrO4を加えて1時間、標的細胞を再懸濁します。
・細胞を洗浄し、IMDMに再懸濁します。
・丸底96ウェルプレートに標的細胞104/ウェル添加します。
・27:1、9:1、3:1、および1:1のE:T比でエフェクター細胞を添加します。37℃で4時間インキュベートします。
・自発的放出、最大放出を測定するためのコントロールを準備し、37°Cで4時間インキュベートします。
・サンプルを遠心分離し、上清を収集します。
・上澄み液30 µlをポリスチレンチューブ(ガンマカウント用)に加え、カウントします。
・もしくは液体シンチレーションカウンタで計測します。
上記のサンプルプロトコルに従って取得したものを示します。